地域包括ケア病棟は、怪我や病気を患ってしまった後に、自宅および介護施設への復帰に向けた医療や支援を行う病棟です。最長で60日間の入院期間の中で、医師の指示のもとにリハビリテーション介入を行いつつ、在宅サービスの調整等を行います。患者さんが怪我や病気に見舞われた後も、安心して住み慣れた土地で「自分らしい生活」を続けるための病棟です。
地域包括ケア病棟について
入院の対象となる方
① 急性期病院からの受け入れ
- 急性期病院で入院治療を終えたが、引き続き医療的な治療が必要な方
- 入院治療により症状は安定したが、在宅復帰に向けて更なるリハビリテーション介入が必要な方
※ 回復期リハビリテーション病棟の対象とならない患者さんの受け入れも行っています。
② 在宅・施設からの受け入れ
- ご自宅や施設等での療養中に、病気や怪我に見舞われ入院が必要な方
- 在宅で療養をするための準備期間が必要な方
- 在宅療養中であるが、「介護者の休養」が必要な方(レスパイト入院)
- 外来患者さんで整形外科疾患により手術適応と医師から判断された方



地域包括ケア病棟でできること
- 在宅や施設への退院を目指し、医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・管理栄養士・介護福祉士・社会福祉士がチームとして、入院・治療を支援します。
- 医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)を中心に、退院支援や退院後の生活について支援します。
- 家族が行う医療処置(痰の吸引、胃ろうなどの経管栄養、インンスリン注射など)やおむつ交換・日常生活動作の介助など、在宅生活の上で必要となる技術や介助方法についてご家族様や介助者様に指導します。
- 必要に応じて、病院スタッフがご自宅へ訪問し、必要な福祉用具の選定や日常生活動作指導、生活環境設定などの提案をします。
入院期間
最長60日間の療養が可能です
入院費
地域包括ケア病棟の入院費は一般病棟と異なり、「地域包括ケア病棟入院料」として算定され概ね一定となります。
地域包括ケア病棟入院料には、基本入院料、リハビリテーション料、投薬、注射、検査などの費用が含まれます。治療の内容によっては自己負担額が増額する場合もございますので、ご不明な点はお問い合わせください。
疾患別リハビリテーション
疾患別リハビリテーションでは、脳血管疾患、整形外科疾患、外科手術後や内科疾患に対するリハビリテーションを実施しております。患者さんの容態や状況にあわせ、ご自宅や施設への退院に向けた個別リハビリテーションを行っております。患者さんの容態や状況にあわせて、個別リハビリテーションは週/6日、1日40~60分を目安に実施します。当院で手術を受けられた患者さんは週/7日、1日最大2回の実施が可能です。

リハビリ内容例)
- 体力強化訓練、筋力強化訓練、関節可動域の拡大などを目的とした運動療法
- 運動麻痺に対する機能訓練
- 基本動作訓練、生活動作訓練、スポーツ動作訓練 など
個別のリハビリテーションのみでなく、病棟での生活自体がリハビリと捉え、可能な範囲で患者さんに身の回りのことを実施していただきます。日常生活動作を行う中で、身体機能や認知機能の維持・向上に繋げ、スムーズに在宅や施設への復帰ができるよう努めております。
具体例)トイレへの歩行、車椅子への移乗、排泄動作、机上での脳トレなど
- リハビリテーションは入院患者さん全員が対象ではなく、医師の指示のもと必要に応じて実施します。
- リハビリテーションの実施回数は実施時間は患者さんの状態や手術内容によって異なります。ご不明な点は、お問い合わせください。


レスパイト入院について
レスパイト(respite)とは「休息」「息抜き」「一時休止」といった意味があります。介護者が日々の介護に疲れを感じ、介護不能となることを予防したり介護者の負担軽減をする目的で短期間の入院ができます。また、介護者の病気や事故、近親者の冠婚葬祭、旅行、出産などご家族様の諸事情やイベント時に一時的に在宅介護が困難な場合でもご利用いただけます。
- 退院後はご自宅に戻られる方が対象です
- 長期間のご利用も対応可能です。入院期間の詳細については、お気軽にお問い合わせください。
- 患者さんの状態によっては、長期の入院継続が困難な場合がございます。
- 医療保険の対象で入院いただけます。
- 必要に応じて一般的な治療(血液検査、レントゲン検査、投薬治療など)を受けることが可能です。
- 入院の際は、お薬をご持参ください
当院でお受けできるレスパイト入院対象の方
- 常時介護が必要な方
- 医療処置などの条件から、介護保険によるショートステイの利用が困難な方
(気管切開・点滴・胃瘻・在宅酸素・中心静脈栄養・褥瘡処置・食思不振・その他) - 在宅生活が急に困難となり、今後の生活の組み立て(調整)が必要となる方
(状態が変わったが急性期病院では入院できないと言われた、在宅での生活が難しく施設か介護保険の区分変更をしたい等)
- ただし、精神疾患の方、認知症を有し問題行動(不穏、徘徊、暴言・暴力等)のある方、当院での対応が困難と思われる場合は、対象とならない場合があります。またリハビリテーションについても対象外となりますので、相談時にご確認をお願いします。
レスパイト入院のご利用方法
- お電話でのご相談からお受けいたします(現状、希望入院日程、入院目的など)
- かかりつけ医からの情報提供書(病状経過、内服薬確認など) と担当ケアマネジャー様からの情報提供書(家庭環境、経過、身体状況など) を提出ください
- 書類が揃ったところで医師に確認し、日程調整となります
(入院当日は、外来受診をしてからのご入院となります)
補完代替リハビリテーションについて
通常のリハビリテーションでは、リハビリの対象となる疾患名が必要となります。補完代替リハビリテーションは、疾患などの縛りがなく患者さんに介入することができる地域包括ケア病棟でのみ行える取り組みです。レスパイト等で入院された患者さんに対して、リハビリスタッフが介入し機能の維持・向上に努めます。
患者さんの状況にあわせて、補完代替リハビリテーションは6日/週、1日20分未満を目安に実施します。
※ 必要に応じてリハビリスタッフが介入回数を調整します。(例:歩行訓練を午前・午後の2回行う等)
※ 補完代替リハビリテーションにつきましても、医師の指示が必要となります。
長野寿光会の特徴
長野寿光会では、退院後も安心していただける介護事業所を整えております。事業所には、有料老人ホーム「あっとほーむ上山田、あっとほーむ戸倉上山田温泉」、デイサービスセンター、介護支援事業所スマイルがございます。また、在宅サービスには、通所リハビリテーションや訪問リハビリテーション、訪問看護ステーションがあり、退院後も一貫して支援できる体制や強みを有しています。