リハビリテーションとは、病気やけがなどで障害を抱えてしまい、移動や身の回りの動作・コミュニケーションなどが困難になってしまった方の失われた機能の回復を促します。またそれだけでなく、残された能力を最大限に引き延ばすための治療を行い、再びその人らしい生活を取り戻し、家庭や社会への復帰ができるように支援していくことをいいます。当院にはリハビリテーション専門職員として、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が在籍しています。

当院のリハビリテーション科の特徴
リハビリテーション科の基本理念・方針
私たちは、患者さまの生活やニーズを第一に考え、以下を目指しています。
- 人権と意思を尊重し、患者さんに寄り添ったリハビリテーション
- 知識・技術の向上に励み、より良いリハビリテーション
- 患者さんの社会復帰を目指すために、チーム医療の実践と地域との連携を心掛けたリハビリテーション
リハビリテーション科の体制
当院では総員65名(理学療法士38名、作業療法士24名、言語聴覚士3名)のリハビリスタッフが各部門に配属され、患者さんやご利用者のリハビリテーションを行っています。
「医療保険部門」である外来・入院リハビリを担うセラピストが54名
「介護保険部門」である訪問・通所・老人ホームでのリハビリを担うセラピストが11名
で構成されています。
入院中の機能回復を目的としたリハビリテーションから、 退院後における在宅での生活を支援するリハビリテーションへの連携に努めています。
理学療法士とは
理学療法では骨折や脳血管疾患などの病気により身体の機能が不自由になってしまった方に対して、立つ・座る・歩くなどの基本的な身体能力の回復・維持を目的に筋力トレーニングや徒手による運動療法や物理療法を用いて、自立した生活を送れるよう目指してリハビリテーションを行います。
当院では回復期リハビリテーション病棟をはじめ、包括ケア病棟、外来リハビリ、デイケア、訪問リハビリと多岐に渡る部署に理学療法士を配置し、患者さんの病期やニーズに合わせたリハビリテーションを提供できる体制が整っています。


作業療法士とは
作業療法では病気や外傷によって日常生活が行いにくくなった方に対し、その人らしい生活が送れる事を目標に支援を行っています。治療の対象は様々で、食事や排泄などの身辺動作から家事や趣味活動など多岐に渡ります。また、心身に不安を抱えやすい入院中の心理的サポート、季節ごとにレクリエーションの企画・運営も行っています
法人内の各事業所に作業療法士の配属があり、シームレスなリハビリテーションを目指し取り組んでいます。患者さんの気持ちに寄り添い、やってみたいことを一緒にチャレンジしてみるをモットーに日々関わらせていただいています。



言語聴覚士とは
言語聴覚療法では、病気や事故により生じた失語症や構音障害、高次脳機能障害、認知症などによるコミュニケーションの問題について、訓練・相談・助言を行います。
スムーズなコミュニケーションが難しくなった方の機能回復や代償手段によるコミュニケーション能力の拡充を図るだけでなく、ご家族に対しても有効なコミュニケーションの取り方をご説明し、助言させていただいています。 また、食べ物を上手く飲み込めない、口からこぼれてしまう、むせてしまうと言った摂食嚥下障害を持つ方の状態把握、嚥下に関する機能の評価や訓練を行います。必要に応じて嚥下造影検査による評価や口や舌の筋力増強訓練、食べやすい方法を工夫するなどの支援をしています。


手外科のリハビリテーション
手指に障害が生じた時には、高度で専門的な手の外科治療が必要であると同時に、損傷の状態・治療方法・手術方法に合わせた、きめ細かな手外科リハビリテーション(ハンドセラピィ)が必要となります。当院では手や肘のリハビリテーションを専門とするハンドセラピスト(作業療法士)が在籍しており、ハンドセラピィにも力を入れています。

スポーツ外来リハビリテーション
スポーツによって怪我をしたときは、通常のリハビリテーションでは不十分で、スポーツに特化したリハビリテーションが必要になります。
当院ではスポーツ経験豊富なセラピストが、最新の知見をもとに細かな動作分析からトレーニングの指導を行っております。


在宅まで連携したリハビリテーション
当院は地域包括ケア病棟・回復期リハビリ病棟・医療療養型病棟・外来リハビリの「医療部門」と訪問・通所・老人ホームの「介護部門」にリハビリテーションスタッフを配置しています。
そのため、入院中の機能回復を目的とした「医療部門」と在宅生活の支援を目的とした「介護部門」の間で密な連携が可能であり、日々変化する患者さんの症状やニーズに合わせたリハビリテーションの提供に努めています。
また、退院支援の一環で自宅訪問を実施し、必要に応じた家屋改修や介護保険サービスの提案を行っています。


リハビリ教室の開催
医療に関する知識を深めながら、健康づくりや生活設計に役立てていただきたいと定期的に「リハビリ教室」を開催しています。リハビリスタッフを複数人配備して、できるだけ個別性のある運動を心掛けています。ぜひ一度足をお運びください。

新人教育プログラム
当リハビリテーション科では「新人教育プログラム」に力を入れており、3年目までに一人前の臨床家として自立した介入を確立できるよう支援しています。プリセプター制度を導入し、教育担当によるマンツーマンでのサポートに加え、科全体が教育に関わることで「社会人としての心得」や「専門的な知識と技術」の習得を目指します。
後進教育
当リハビリテーション科では、県内外のリハビリテーション養成校から多くの実習生を受け入れています。2023年度は、理学療法10名、作業療法14名の実習生を受け入れ、後進教育にも力を入れています。また、新卒入職者に対して「新人教育プログラム」を3年間に渡って実施しており、スタッフ全体で知識・技術の向上をサポートすることで患者さんにより良いリハビリテーションを提供できるように努めています。
